大洲市肱川町 櫻田咲盛さん 「30年牛を育てているが生き物だからなかなか難しい」
2013年06月08日
24年度愛媛県総合畜産共進会の「肉牛の部」において、優等賞首席である農林水産大臣賞を受賞された櫻田さん。「できることなら、一度は獲ってみたいと思っていた賞だったので驚いたが、とてもうれしかった」と笑顔で話されました。
櫻田さんは肱川の正山地区で約500㎡の牛舎で34頭程の牛を繁殖、飼育する一貫経営をされています。子牛を30カ月ほどかけて体重が700㎏から900㎏ぐらいまで肥育して出荷されています。
冬の期間は寒さに弱い子牛の体調管理が大事で目が離せません。夏の期間は暑いのが苦手な牛の為に日中扇風機をかけて涼ませてあげるそうです。「牛舎が風通しの良い場所にあるから、夏の暑さが苦手な牛達にとっては良い環境で肥育できていると思う」と話されます。
牛をうまく育てるコツをお伺いすると、「体は大きいけどデリケートな生き物。ストレスをかけないように育てる事かな。30年牛を育てているが、生き物だから、なかなか難しいよ」とご苦労も多いようです。
櫻田さんによると昔はこの地域だけで100頭程の牛を飼っていたという事で、当時は肉牛の市場もあったそうです。その頃は仕事をしながら牛を飼っていたのでとても忙しく、早朝に牛の世話をしてから仕事に行き、夜帰ってきてからも世話をしていたそうで、「今考えたらようやりよったな」と当時を振りながらお話をされました。
これからやってみたいことをお聞きすると「5年に1回開催される全国和牛能力共進会に出品できる牛を育ててみたいが、これがなかなか難しい」と話されました。全国和牛能力共進会は通称「全共」と呼ばれる大会で、全国から200頭程の牛(肉牛の部)が集まる和牛のオリンピックです。次回の開催が2017年。宮城県で開催されます。出品する為の厳しい基準が設けられているので、高い壁だと思いますが、チャレンジしてもらいたいなと思いました。
今後も和牛の魅力を多くの消費者に伝えるべく大洲肱川の地より美味しい和牛を育てていただきたいと思いました。