新谷地区を訪ねて
11月下旬。朝晩の冷え込みが厳しくなり、冬を連想するモノが町に色々現れる頃、晩秋の風物詩である紅葉を楽しもうと、愛媛県下でも紅葉の名所である稲荷山公園を訪ねてみました。
稲荷山公園は神南山(標高645メートル)のふもとにある、稲荷神社境内を含めた暖傾斜地帯60アールに、楓が林生する一帯を「紅葉山」として、名勝に指定されている公園です。
神社は、旧新谷藩主の祈願所で、雨乞い・晴れ祈祷・平安祈願がなされ、一般藩民の崇敬も篤く、現在も旧歴の初午の日には天照大神が天の岩戸に隠れた時の神事に由来する「湯釜祭り」が行われております。
林生する楓は「イロハカエデ」で、この時期真紅に紅葉をします。約二百年前、藩主が参勤交代の帰途、京都・高尾の苗木を持ち帰り植え付けたと伝えられています。
11月1日から30日までの一カ月間はもみじまつりの期間ということもあり、訪れた日も多くの方が赤や、オレンジ、黄色にそまった木々を楽しんでいました。
先月号のあとがきに紅葉狩りについて紹介しましたが、「紅葉」が鬼の名前って知ってます?「紅葉」という名の鬼女が、人の心を惑わせる、それは戸隠山に残る伝説から来ているそうですが、鬼女・紅葉を狩るから「紅葉狩り」という説もあるそうで、紅葉の魅惑的な美しさを象徴していますね。このお話は『紅葉狩』という能の謡曲としても有名です。
色鮮やかな稲荷山の楓